同徳県互人多希望小学スタディツアー

高度3000mの互人多小学校へ
2005年8月22日から26日までの5日間、互人多が支援して建設した青海省同徳県にある互人多希望小学校( 以下互人多小と記す)を訪問するスタディツアーを実施いたしました。ツアーには計22人(大人9人、子ども13人:小学生9人、高校生3人、大学生1人)が参加し、青海の大自然の中、互人多小のこども達や当地の人びとと交流する機会に恵まれました。
互人多小は青海省の省都西寧より300キロ南西にある海南チベット族自治州同徳県の海抜3060mの草原地帯にあります。周囲はところどこと囲われた穀物畑、そして水平線に荒涼とした砂漠、ハゲ山の目だつ一帯です。
今回の訪問で私達は、皆さまのご支援で建てられた学校が「学校として機能している」ことを確認して参りました。中途退学する子どもも少なく、学校とし優秀な成績を修めていること、また周辺の人々からも社会的な関心・支持をうけていることも知ることができました。学校の方々はみな私達の訪問をとても歓迎してくださり、楽しい交流のひと時を過ごすことができました。これもひとえに皆さまのご支援あってのこと、まずは厚く御礼申しあげます。


楽しかった交流
今回の交流では、互人多小のこども達に少しでも日本の文化を身近に感じてもらおうと、出発前から有志で集まって歌の練習や紙芝居制作、小物作り等の準備にあたりました。
交流会が始まると、まず互人多小のこども達が歓迎の歌を歌ってくれました。それから私達が、日本の民謡『ソーラン節』とチベットの民謡『半个月亮爬上来』を歌いました。ソーラン節では独特の振り付けとこぶしを利かせた歌い方に、拍手喝采でした。
紙芝居は、チベットの物語『裸ムギの種』を日本語で、日本の物語『こぶたのけんか( 童心社)』を日本人のこども達が流暢な中国語で演じ、とても好評でした。
その後全員で輪になってチベット大舞踏会。みな、旅の疲れや頭痛(軽い高山病症状)を忘れて肌がじりじりするほどの日差しの中、踊り続けました。

ひと汗かいた後は、折り紙講座。初めての折紙にみな興味津々の様子でした。完成させた鶴を誇らしげに見せてくれる子、帽子についている星を指差し折ってくれと催促する子、飛行機や手裏剣飛ばしに興じる子、時間は瞬く間に過ぎました。
昼食をはさんで、午後からは自由時間。絵を描いたりアヤ取りをしたりとそれぞれこども達と自由に遊ぶ時間です。何人かの子ども達が自然に集まって、ペットボトル落としを始めました。日本のハンカチ落しとまったく同じ遊び方でした。山の空気に慣れてきたのか、酸欠になったら、という親の心配をよそに、子ども達はエンジン全開、全速力で駆け回り、文字通り、『交流』のひと時となりました。
まだまだ支援の必要な互人多小学校
現在互人多小では88人のこども達が学んでいます。そのほとんどは牧民家庭のこども達で、世帯の年間所得は1000元前後、学校に通うため必要な雑費60元(学費は不要)すら払えぬ家庭も多く、この地区(巴松多鎮)では2割以上のこども達がいまだに未就学です。互人多小が建つまでは、父兄の教育への関心は薄く、こども達は家の労働力としてみなされていました。しかし、学校開校以来、共産党青年部の啓蒙活動などにより、徐々に各家庭でも教育の必要性を認識し始めるようになりました。今では多くの家庭や地域社会が学校を支持しています。学校周辺にも小さな店ができ、人々はこの一帯を『互人多』と呼んでいるのだそうです。
一方、問題も起こっています。それは学校拡大計画です。近年この地域は砂漠化が深刻、その防止政策により、今秋には、189戸の牧民が ?巴松多鎮から互人多近くに建設される集合住宅に移され、さらに、来年には隣の果洛蔵族自治州から約300戸が移動してきます。このため互人多小はさらに500人の学童を受け入るための新校舎建設が必要で、その費用は200万元かかるのです。

今回互人多も、同徳県教育省より更なる支援を求められました。私達もこの事実を真摯に受け止め、希望工程へも報告いたしました。しかし一方で砂漠化による移民政策は西部全体の問題で、もっと貧しい地域もたくさんあることを知らされました。だからといって同徳県への支援の手をとめることもできません。今私達ができることは、現地を実際に見てきたものとして、青海の現状を伝えていくことと思っています。そして引続き、互人多の活動を続けることでもあると。『継続は力なり』の言葉どおり、互人多を支えてくださる皆さまの支援の継続により私達は青海の地に学校を建てることができました。これからも地道に活動を続けること、これが将来必ず中国のこども達を支援することと信じております。
今回のツアーは「もの」を送る支援ではないのでその成果を目では確認することはできません。けれど交流を通じて様々な感動が生まれたに違いありません。この感動を忘れずに、また日々活動を続けたいと思っております。
最後になりますが、ツアー実施にあたり、特にご協力いただいた上海希望工程、青海希望工程、青海省同徳県教育省及び文化省、上海日本人学校、国誉貿易有限公司(コクヨ)、虹文庫各位、そしていつも互人多の活動を心にとめご協力くださる皆さまに心より御礼申しあげます。